小川洋子さんの書いた、ちくまプリマー新書の「物語の役割」を読む。
素晴らしい内容だった!!
いろんなところで講演されたものが本になっているのだけど、本当にわかりやすく深い内容。
どうして「物語」を作るのか・・・
私も日頃や仕事の時々に思うことの答えがここにあるような気がした。
生きていくために必要な「物語」もある。
そして、一番心に残ったのはこんな内容だった。
この中で、小川さんは河合隼雄さんの本からの引用を用いている。
文化財の修復の際に、補修用の布がもとの布より強いと、結果的にもとの布を傷めることになる。補修する布は、もとの布より少し弱くなくてはいけない、というのだ。
それは河合さんはご自身の仕事であるカウンセリングにも似ている・・と書いているそうなのだけど、小川さんは物語もそうなんじゃないか、と言っている。
人の心に寄り添うものならば、物語も強すぎてはいけない。
「こんなことではだめだ」「こっちに行くべきですよ」と読者の手を無理矢理ひっぱるような物語は、読者を疲弊させるだけだ。
物語の強固な輪郭に読み手が合わせるのでなく、どんな人の心にも寄り添えるようなある種の曖昧さ、しなやかさが必要になる・・と小川さんは書いている。
到着点を示さず、迷う読者と一緒に彷徨するような小説を私も書きたい、と。
この部分を読んで、私は、今までうまく表現できなかったことが書かれている!と思った。
物語ってそういうもんだと思うのだ。
演説や指針ではなく。
そして、小川さんは物語に触れることによって、「自分はこの大きな世界の一部である」という思いと、「自分は唯一無二の存在である」という、相反する思いを味わったと書いている。
これは、人間にとって幸せを感じるためには絶対に必要な感じ方だなぁと私は思った。
物語のすごさ、素晴らしさ、その意味を感じ、これからも物語を作っていこうと思う私にとって、すごく心に響きました。
小川さん、ありがとうございます。
素晴らしい内容だった!!
いろんなところで講演されたものが本になっているのだけど、本当にわかりやすく深い内容。
どうして「物語」を作るのか・・・
私も日頃や仕事の時々に思うことの答えがここにあるような気がした。
生きていくために必要な「物語」もある。
そして、一番心に残ったのはこんな内容だった。
この中で、小川さんは河合隼雄さんの本からの引用を用いている。
文化財の修復の際に、補修用の布がもとの布より強いと、結果的にもとの布を傷めることになる。補修する布は、もとの布より少し弱くなくてはいけない、というのだ。
それは河合さんはご自身の仕事であるカウンセリングにも似ている・・と書いているそうなのだけど、小川さんは物語もそうなんじゃないか、と言っている。
人の心に寄り添うものならば、物語も強すぎてはいけない。
「こんなことではだめだ」「こっちに行くべきですよ」と読者の手を無理矢理ひっぱるような物語は、読者を疲弊させるだけだ。
物語の強固な輪郭に読み手が合わせるのでなく、どんな人の心にも寄り添えるようなある種の曖昧さ、しなやかさが必要になる・・と小川さんは書いている。
到着点を示さず、迷う読者と一緒に彷徨するような小説を私も書きたい、と。
この部分を読んで、私は、今までうまく表現できなかったことが書かれている!と思った。
物語ってそういうもんだと思うのだ。
演説や指針ではなく。
そして、小川さんは物語に触れることによって、「自分はこの大きな世界の一部である」という思いと、「自分は唯一無二の存在である」という、相反する思いを味わったと書いている。
これは、人間にとって幸せを感じるためには絶対に必要な感じ方だなぁと私は思った。
物語のすごさ、素晴らしさ、その意味を感じ、これからも物語を作っていこうと思う私にとって、すごく心に響きました。
小川さん、ありがとうございます。