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絵本作家 市居みかの日々あれこれ ichiipk.exblog.jp

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絵を描いたり散歩をしたり・・・


by ichiipk

いたずらおばけとお客の多い日


朝から子ども雑誌の世界の民話の挿し絵の仕事。

イギリスの「いたずらおばけ」というお話。
ある夏の夜の帰り道。おばあさんが溝に落ちていた黒い壺を拾い、見てみるといっぱいの金貨!
重たいので、スカーフでしばってひきずって歩いていくと、ふと見ると銀のランプに変わっている。「ほー・・ランプか。それもいい」と思い、また歩いていくと、今度は鉄のランプになっている。「ほー・・鉄でもいいか」
そして、家の前について見ると、それは大きな石に変わっている。
「ちょうど家の戸がぱたぱたするので、押さえるのに丁度いい」といって、家に持って入ろうとすると、それは白い煙のなかで、手をぶらぶらさせたおばけに変わる!
ぐるぐるおばあさんの周りをまわってから大きな笑い声をあげてお化けは消えてしまう。
しばらく呆気にとられていたおばあさんは、くすくす笑いだし、
「こんなゆかいないたずらおばけに出会えて、なんてついているんだろう」といつまでも笑っていましたとさ。というお話。

一般的に言うと、重いものを引きずって歩かされて、ものはどんどん値打ちがなくなって、だまされた訳だけれど、おばあさんのなんともいえない前向きな考え方で、それも「ついていた」という楽しい出来事に変わるんだなぁ。。
なんだか不思議な、意外と深いお話。
驚いているおばあさんの周りをぐるっと取り囲むお化けと、壺からこぼれ出た金貨、ランプ、石などをオレンジをメインにして描いた。

描いていると、前に隣りに住んでいた友人や子供たち、最近引っ越してきた友人もやってきて話をしたり竹の子を取ったり、仕事を終えてから一緒に畑の草抜きをしたりして過ごした。

なんだかあったかいいい一日だったなぁ。
by ichiipk | 2008-04-29 21:55